天井の高さと部屋の広さの関係
a.n.d.designの山田です。
一般的な住宅の天井の高さは約2420ミリ(2メートル42センチ)
と言われています。
これは日本で古くからある尺貫法で8尺(1尺=303ミリ、8尺=303×8)
が基準になっています。
山田は昔、自社大工を抱える工務店で10年以上勤めておりましたので、
この基準が当たり前だと思っていました。
先日、担当していたリノベーション物件が竣工しました。
こちらのリビング、
なんと天井高さが1メートル90センチ以下です。
画像は縮尺編集していません。
なのに部屋が広く見え、それでいて自然です。
このリビングは以前は鉄骨の農機具倉庫になり、
構造を残したまま改造しました。
リビングに立って背伸びすると流石に天井を間近に感じますが、
ソファに座ってみると違和感を感じません。
著名な建築家の方の著書に小さな家を設計するときの
テクニックで「天井高さを低くして、部屋を広く見せることで
小さくとも大らかに住う」というのを学びました。
推奨されていたのは2メートル20センチでしたが、
この物件はそれよりまだ低い高さ。
また建具の高さ、サッシの高さも違和感を感じさせぬポイントです。
これら開口部の寸法設計は特に注意して行ないました。
新築ではなく構造的に制約のあるリノベーションにて
偶然にも実証ができました。
材料の長さも1サイズ小さいもので施工できその分、質を高める。
新築においても同じことが言えます。
最近お客様からよく聞くのが、新築を建てたいけど土地代が高い。
すると残った金額考えると建物も小さくなっちゃうよね…と。
どうしても小さい=狭いと思い込みがちです。
ですが小さくとも大らかに暮らすことはできます。
目の錯覚で我慢し続けるというのではなく、
それが心地よいと実感できるからです。
私たちはそれが実現できる設計チームです。